わたし、どうして
いきしていられるのだろう?
こんなに、のうのうと。
まるでじぶんじゃない、みたいなのに。
かぜのないよるだから?
つきがおぼろで、
わたしのかげをかくすから?
かれの自転車がくるりとまわる。
かのじょがよんだから。
声をださずに。自転車を
とめたまま動かない。
前をむいて、
たぶん、視線を動かさない。
かれはなんどかくるくる円を描き、
かのじょのほうを見て笑ったの?
それとも困った顔?
わずかにかぶりを振って、
ペダルにちから。力をこめる。
遠のいてゆく。
かのじょは動かない。
声をださない。けれど
ちいさなため息が、きこえる、たぶん。
だって、震える空気が伝わって。
想いの上澄みが
胸の下端しに
ひっかかって
影が長い尾をひくのです。
ある夜の
散歩中のできごとが
詩のように
こころにふかふかしたままなので
書き起こしてみました。


