糸を継ぐ
「へたのながいと、っていうのよ」

え、、、?

「そんなに長くしたら縫いにくいでしょう。」


だってこのくらいいると思って。
足りなくならない?

ふふふ、少し含みわらいをして、
母は
少女のように言う。

糸を継ぐの。

え、?


知らなかった。
いまの私の状況が機会を与えた。
もし神様が罰をお与えになったとしても、
なんて素敵な罰なのだろうか。


そうね、
ここは少し開いて(布地を)出して、…
あざやかに判断して
母の娘時代のスカートを私に
合うようにしてゆく。

いちども
母が針と糸を持って
まして服を作っている姿など
みたことはなかった。

たぶん、
これからもないだろう。私が
罰を受けない限りは!


ほら、ここはまっすぐよ。

と言って、針を手渡されても
私の不慣れな手はいっこうに進まない。



ふふふ、。
それじゃ、一晩かかっても
終わらないわね。


これでもね、ひととおり
習ったのよ。母から、、、あなたの
おばあちゃんね。おふとんまで縫ったのよ。


知らなかった。

もしかして 私が受けていたのは罰ではなくて
素晴らしい贈り物だったの?


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 水底 みなそこ
底に、いる。
深く、広い。水が張っていて
上からみている時には
すぐに息が続かなくなると
思っていたのに
なんでもない。

仰向けにねる。立ち上がる。歩く。
走ってみる。
なんでもできる。
気が、する。
ただ地上の様子がわからない。
深すぎて。

もうずっと。落ちないようにしてきた。
細心の注意をはらって。でも無意識に。
どうしてあんなに怖がっていたのかしら。
どうして。

うつ伏せになると
視界がしだいにひらけてきて
世界が見えてくる。
天にいるみたい。
背負うものがないから
とても軽い。

どうして気がつかなかったのかしら。
ころもを一枚纏っていれば十分で
溢れさせる必要など
まるでなかったのに。








 
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 冬の雷

何かが光ったような気がして
目が覚めた。
冬の真夜中。
どろどろどーん、
続く低い地鳴りのような音。
なにかしら…かみなり…まさか…
ふゆに…うとうとしかけたところに
また光。
いなずま…。
そして、ゴロゴロドーン。
そういえば。雨音がしている。
ずいぶんと烈しい。
やはり雷が落ちたのだ。

なにか悪い行ないをしたかしら?
夜の暗闇はなぜか、
こどものころの恐怖心を呼び覚ます。
耳を塞いでも目を瞑っても、
止まない。ざざざどーん、どーん。

悪いこと?どんなことを?
思い出して!
肩をぐらぐら揺さぶられる。
謝らないといけない、の?
思い当たること。
たくさんあるようなのに、
これといったものがない。
冬だというのに
まわりはじめた走馬燈の、
動きが次第に早くなって
やがてわからなくなった。





次に目が覚めると
朝だった。
水たまりがところどころ
のこっている。
夕べはきっと
なにか不用意なことを
言ってしまったのだ。
あんなに怒るなんて。

洗濯を、
してしまおう。
冬のこんな晴れた日には
きっとすぐに乾いてしまう。






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